スタッフの児玉です。
スポーツでも武道でも、じぶんの知らない競技だと奥深い技術が目に映りません。
フィギュアスケートのジャンプでの回転数や、空手で一本はいったかどうかの判断などは、経験がないとその速さに目がついていかないことが多々あります。
その見極めは、きわめて難度が高いものです。
逆に、いくらかでも経験があると、ある程度はその理解が追いついてきます。
わたしは幼少から高校まで剣道をならっていました。
ですので、剣道における一本の判断であれば、ある程度できるように感じています。さらには、こちらのトレーニング種目が剣道の動作のどの部分の変化につながるか、想像が働くのを実感しています。
肩甲骨周辺をポイントとするマシンであれば、可動域が拡がることで肩の力みが抜け、打突のキレを増すことにつながります。
骨盤、股関節にアプローチするマシンであれば、足さばき、踏み込みの鋭さと、踏み込んだ後の後ろ脚の引きつけの速さを高めることになります。
トレーニングは、剣道における技術の変化につながるのです。
もちろん、取り組まれているのは現役の剣道家です。一方的な指示にならないよう、じっさいの感想をお聴きしながらご提案させていただいています。
以前、W.W.松山会員さまで愛媛県警の特錬員だった方にお伝えしたところ、同じように感じておられ、「トレーニングでまだまだ変わってゆけそうで楽しみです」と言い添えられたことがありました。
とても印象的だったことを覚えています。
特錬員と言えば、剣道家の中でも「選りすぐり」と呼べる方々です。そうした実績ある方の言葉は、参考にしていただけるのではないでしょうか。
トレーナーになる未来など欠片(かけら)も想像していなかった頃の経験が、数十年後の今につながっていました。わたしは腰を故障して大学での剣道は断念しましたが、それでも剣道をやっていたことは現在の財産になっています。
恩師と道場に感謝しつつ、自身の経験を会員さまに還元できれば幸いです。
P.S.
木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ
これは、広瀬すずさん主演のドラマ『あんのリリック』で使われた、加藤 楸邨(しゅうそん)の句です。
そこから、北大路 翼さんの『加藤楸邨の百句』(ふらんす堂)を購入しました。
ひょんなところで興味を惹かれる対象に出会うのが、おもしろいところですね。