スタッフの児玉です。
先日の休館日、宝塚市立文化芸術センターで「中村佑介展 in TAKARAZUKA2025」を観てきました。
中村佑介さんは、東川篤哉さんの『謎解きはディナーのあとで』のイラストなどで有名なイラストレーターで、宝塚市ご出身の方です。
正面や左を向いた女の子をモチーフにした鮮やかなカラーイラストが特徴的ですが、今回は彩色する前のデッサンを見られたのが大きな収穫でした。彩色前のほうが、ラインの美しさが際立つことを発見できました。
何気ない部分に、一流のひとのすごさが表れます。
これは、アスリートの動作と共通しますね。
野球の一流選手のシャドウピッチングなども、そのひとつでしょう。しなやかな力感のない動作ほど、球速のあるボールにつながります。その様は、まさに流れるように目に映ります。その様子が野球を詳しく知らないひとの目をも惹きつけるのは、動作が理にかなっているからこそです。
パワーと力感とは、まったく別ものです。力感にあふれて見える動作のほうが、じっさいのパワーに欠けるケースは多々あります。
これは、マシンの動作でも同じことが言えます。
迫力を求めるあまり、適切な設定よりも重い重量で、反動をつかって無理やり動作するのでは、かえってマシンのよさを損ねかねません。マシンでの動作に習熟されている方ほど、その動きは、さり気ないものに見えます。そちらの方が、動作としてはレベルが高いのです。
競技でしなやかに動きたいのに、トレーニングで力み続けるというのは、冷静に考えると明らかに矛盾しています。見た目の迫力を求めると、競技動作とマッチしないものになってしまうのです。
マシンの動作が洗練されてくるタイミングと、競技動作の変化してくるタイミングも、おもしろいほどに同期します。マシンの動作と競技動作は、それだけ密接に関係しているのです。方向性を度外視しては、何も始まりません。トレーニングは、競技動作につながるものであってほしいのです。
P.S.
『からくりサーカス』藤田 和日郎(かずひろ)さん(小学館)。
20年以上前に完結したマンガですが、Aぇ! Groupの小島 健さんがTVで紹介されているのをたまたま目にして、久しぶりに読み返しました。登場人物である鳴海(なるみ)の言葉は、いまも胸に響いてきます。