スタッフの児玉です。
目指す方向が見えると、迷いがなくなります。
当施設には、小学4年生から入会いただけます。現在もお母さまの同伴で、野球をされている小学5年生の男の子が通われています。
使用するマシンは同じですが、まだ小柄なため、たとえば「Scapula」というマシンではハンドルに手が届かれません。そのため、備えつけのS字フックで高い位置にあるハンドルを引っかけて降ろす、という手順で実施されています。
両腕でおこなうバリエーションでは、ハンドルを降ろしてからS字フックを外せないため、ここではお母さまにもセッティングを手伝っていただいています。いまの年齢に限られた、ジムの風景のひとつです。
チームのコーチをされている会員さまからも、バッティングで背中から骨盤周辺の動きがよくなったとお聴きしました。成果が出てこられたなら、悦ばしいかぎりです。
鳥取/本部のコーチが野球合宿において、
「ベンチプレスのような動作は、野球の動作にマッチしない」
と説明されていたのを記憶しています。
ベンチプレスは、トレーニング台に仰向けになってバーベルを上下させる種目です。ウエイトリフティングの競技であれば、こうした種目、動作は必須です。いっぽうで、野球のプレーのなかに、力を込めたまま直線的に腕を伸ばす動作があるでしょうか。
しなやかで立体的な動作を求めるなら、この運動は動作を崩すことにもなりかねません。早期から、競技にそぐわない、力むような動作を身体にインプットすることに、恐さを拭いきれません。上半身のトレーニング = ベンチプレスという考えも1度、見直してみてもよいのではないでしょうか。
こちらのマシンの動きは、一見すると野球の動作に見えないものも、すべて野球につながります。会員の方はトレーニングをつづける中で、このことに気づき始められます。これは、ほかの競技の方も同じです。
さまざまな競技中のシーンに、マシンでの動作は重なります。
競技とまったく同じ動きをするのではありません。マシンでの動作の延長線上で、各競技における動作が、変化しはじめるのです。
P.S
恩田 陸さんの『祝祭と予感』(幻冬舎)を読み返しています。国際的なピアノコンクールを舞台にした『蜜蜂と遠雷』という作品のスピンオフ小説です。
本編に登場した魅力的な人々それぞれのエピソードが、時系列をかえつつ語られます。この作品の登場人物にときどき会いたくなって、本棚から手にとる1冊です。