スタッフの児玉です。
時間をかけたことは、何らかの形で身体に残ります。
トレーニングを気に入っておられても、退会せざるを得ないアスリートの方がいらっしゃいます。
他府県の高校へスポーツ進学する中学生の方、べつの球団に移籍されるNPB/プロ野球選手の方、ほかにも転居などの事情による場合などがあります。
先日も、19歳の男子テニスプレイヤーの会員さまが退会届を提出されました。トレーニングに通ってくださったのは、高校2年生から現在まで2年間です。アスリートとして強度の高い練習をされる中、身体に違和感や張りが出るたびにジムまで足を運び、その解消に努めてこられました。
退会は、練習拠点を海外へ移して、積極的に大会出場されるための決断とのことです。その期間が読めないため、休会ではなく退会を選ばれました。アスリートの方であれば、こうした環境の変化は常に起こり得ます。
実力のあるテニス選手であっても、ATP/男子プロテニス協会の世界ランキングを上げていくには、かぎられた日本国内の大会だけでは難しいと言わざるをえません。大会の数が多く、何週間かにわたって大会が開催される海外の方が、ポイントを獲得するには有利だと言えるのです。
テニスにかぎらず、遠征のある競技をされていると、ジムへの定期的なご来館は難しいものです。どうしても不規則になりますし、間が空くこともあるでしょう。それでも、疲労を抜きつつバランス回復をはかれる場があることは、アスリートの方にとって欠かせない強みとなります。
今回の彼のようにトレーニングできる環境でなくなった場合も、トレーニングで培ってこられた、理に適った動作を求める感覚は競技で活きてきます。これが失われることはありません。トレーニングされた時間が、ムダになることなどないのです。
彼がテニスというハードな戦いを続けてゆかれるなら、どこかでまた、こちらのトレーニングを必要とされる時が来るかもしれません。その時はいつでも、戻ってこられるのをお待ちしています。
彼のこれからの前途に、心からのエールを送ります。
P.S.
『リテイク・シックスティーン』豊島ミホさん(幻冬舎文庫)。
高校を舞台にした学園ものに、時間を超える「タイムリープ」の要素が加わった小説です。中盤での捨て猫をひろうエピソードから、一気に引き込まれました。心地よい読後感を得られた作品です。

 逆瀬川1-13-1
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