スタッフの児玉です。
気持ちの変化は、じぶんでも読めません。
W.W.京都スタッフだった頃、ある女性会員さまがご主人を体験トレーニングに連れてきてくださったことがあります。
ご主人はお寺のご住職をされていて、すわっている時間が長いというお仕事柄から、身体の不調を訴えられていました。とはいえ、来館を決心されたのは、奥さまのお勧めから1年あまりが過ぎてからでした。
ところが、体験をされてからは一転、すぐにご入会の運びとなったのです。それどころか、そのあとは奥さまよりも積極的に来館される熱の入れようでした。
「だから私がずっと言っていたのに、なんなの~~~」という奥さまのセリフと、わざと怒った振りをされるご様子がほほえましかったのをおぼえています。
このとき、奥さまがご主人を急(せ)かされなかったのは、結果的によかったと思われます。
よいトレーニングだからといっても、ご本人のボルテージが上がっていなければ受け入れてもらえません。気持ちは、ご本人さま次第です。ここで強要してしまうと、シャッターを下ろすように拒否されかねないのです。
こうしたトレーニングがあることをお伝えいただけるだけで、ジムとしては充分です。機が熟してからご来館いただくことで、流れもよいものになります。
逆に言えば、トレーニングを知って気持ちが動かれたなら、すぐに通えなくても、まずは最寄りの提携施設へ体験にお越しいただくのがよい展開ではないでしょうか。想像の中だけでイメージされているよりも、じっさいにマシンに触れてからの方が、より具体的にトレーニングをおこなう状況を思い描けるのです。
トレーナーの仕事に従事していると、会員さまの広がりは、ひとからひとへと伝わっていくものだとあらためて感じます。
お好みや、人となりをよくご存知の方からトレーニングを勧められるほうが、気に入っていただける確率も高いのです。
よいタイミングとは、風が吹いてくるようなものです。その風が吹いてくるタイミングとご本人の気持ちが重なるなら、これに勝る幸運はありません。
P.S.
『職場の断捨離』やました ひでこさん(日本能率協会マネジメントセンター)。
やましたひでこさんの最新刊です。断捨離の理論が、さらにグレードアップされていました。「全出し」「整流(せいりゅう)」といった用語や、職場の環境を刷新する提案は、今日から試してみたい内容にあふれています。

