スタッフの児玉です。
出会いは、僥倖(ぎょうこう)そのものです。
わたしは、京都の花園大学文学部/国文学科の出身です。
花園大学の講義で、もっとも印象に残っているのは、当時の必修科目だった鷲山樹心先生の「文学概論」です。単位は1年で順調に取得できましたが、翌年も講義をされている教室に向かいました。理由は単純で、もう1度、講義を聴きたかったことに尽きます。それほどに鷲山先生の講義は魅力的だったのです。
鷲山先生は、近世の上田秋成をメインに研究されていた方です。『雨月物語』の「菊花の約(ちぎり)」「吉備津(きびつ)の釜」などについて、おどろおどろしい印象とは異なり、人間の哀しい性(さが)が描かれていることを教わりました。「文学とは人間を描くもの」との説明を、いまなお覚えています。
ほかにも、第二次世界大戦で戦地に赴かれた体験から、勉強をしたいと願いつつ散って行かれた戦友の方々についても話してくださったことがあります。鷲山先生の研究に対する礎(いしずえ)の部分をお聴きできたのも、鮮明な記憶のひとつです。
学校の授業も受験勉強も嫌々おこなっていた私にとって、鷲山先生の講義に出会えたことは紛れもない僥倖です。
こうした出会いは求めたからといって、すぐに得られるとは限りません。その確率を思えば、出会いには敏感でありたい、そう素直に思われます。
トレーニングも、同じではないでしょうか。
会員の方がジムのことをお知りになったきっかけは、ほんとうに人それぞれです。お知り合いから話を聴かれた、映像で目にされた、たまたまジムの近くを通りがかられた等々、そこには偶然の要素も多分に含まれます。
共通するのは、他にはない感覚を得られたこと、それを求めて継続的に通って下さっていることでしょう。トレーニングでの小さな変化、身体反応を楽しまれている方は、そうした価値を無意識に感じとっていただいているに違いありません。
これは、変わっていけるという予感につながるものです。
今年もW.W.宝塚にお越しくださる方々に、トレーニングのよさが少しでも伝わることを願っています。
P.S.
『あだち充イラスト集・Season’s Album①②』(小学館)
連載マンガでは時折、神がかりとさえ言えるような魅力的なイラストが生まれることがあります。あだち充先生の代表作『タッチ』も、80年代における1つの典型ではないでしょうか。色褪せないイラストに当時を思い出しながら見入ってしまいました。

