スタッフの児玉です。
プロフェッショナルの凄さは、見えない部分にあります。
春から、5回シリーズのワークショップに参加しました。作家の方が主宰(しゅさい)される、文章についてのワークショップです。
東京で開催されていたので、勤務のシフトで参加できない回も出てきました。
参加できなかった場合は、メールで質疑応答を行なっていただきました。
この直接の質疑応答が、非常に勉強になったのです。
たとえば、執筆をする時間帯について訊ねました。
わたし自身は、早番なら夜に、遅番なら朝に文章を書いています。休日は日中にトレーニングを行ない、夕方から夜の時間帯で文章を書いています。
プロ作家の方にも一定の時間帯があるのだろう、と予想した上での質問でした。
いただいた回答は、次元が違っていました。
「朝でも昼でも夜でも、短い時間でも書く」との回答が返ってきたのです。
理由は、時間にこだわらずに書かないと時間が足りないから、とのことでした。
1ヶ月に数冊を出版するケースだと、悠長なスケジュールなど組めません。
じぶんの認識の甘さを、痛感しました。
よい文章が書けない場合について訊ねると、「書けなくても書く」と答えられました。
「不調でも書くことで、書きたいことが出てくる」とのことでした。
頭を打たれたような衝撃をおぼえました。文章の良し悪し以前の、心構えです。
文章に関するアドバイスなのに、内容は、文章に限定されない深さがありました。
「書くこと」を他の言葉に置き換えたら、すべてに共通します。
「勉強」「競技」「仕事」「恋愛」「習い事」、いずれにも置き換えられます。
当然ながら、トレーニングにも共通します。共通するという以上に、本質とさえ言えるのではないでしょうか。
夢中になっていることは、短い時間でも密度が濃くなります。
不調でも離れていても、意識のどこかが夢中になっていることとつながっておく。
1つのアドバイスで、時間への意識が変わります。
ワークショップで教わった心構えは、これからのすべてに活きると感じています。
P.S. ①
『初代タイガーマスク戦記』流 智美さん(ベースボールマガジン社)
佐山 聡選手がタイガーマスクとしてデビューする前の写真が、豊富に載っています。メキシコ修業中は極めつけです。ミル・マスカラス、エル・サント両選手との3ショットは至高の1枚です。2年弱のタイガーマスクの時間が1冊に凝縮されています。
P.S. ②
「戯作三昧」芥川 龍之介『或日の大石蔵之助・枯野抄』(岩波文庫)
滝沢馬琴が、彼の作品を酷評する声を耳にした際の内面が描き出されます。家族からも共感されない状況で、それでも彼は執筆を続けていきます。執筆中の高揚する気持ちを描写したシーンは、圧巻の一語に尽きます。

