スタッフの児玉です。
じぶんが見えると、方向性が決まります。
久しぶりに舞台を見てきました。京都四條南座での公演『成瀬は天下を取りにいく』です。宮島 未奈さんの小説が、主演/山下 美月さんで舞台化されました。
この日の京都は酷暑に迫る39度、「茹(う)だるような」と言われる暑さでした。
休憩を挟むとはいえ、前後半で計140分を演じ切る役者のひと達に脱帽しました。
とりわけ目を惹かれたのは、島崎みゆき役の藤野 涼子さんです。
以前にTVで目にした際も、演技力の高さに目が離せなくなりました。今回も、声の通りが抜群で、観客へ伝わる豊かな表情が印象的でした。
小説では、島崎みゆきの存在が、主役の成瀬あかりを際立たせていました。
舞台では、藤野 涼子さんが、主演の山下 美月さんを際立たせていました。
小説と舞台とが、二重写しになるかのような不思議な感覚に包まれました。
演じる人の顔立ち、強みは人それぞれです。人の特性が、おのずと感じられます。
トレーニングジムも、それぞれの人の特性が見えてくる場所です。
同じ競技でも、チームの異なる人がいます。まったく異なる競技の人もいます。これまで接点のなかった年代、環境の人も集まってこられます。
多くの人たちの動作を目にすることで、自分の動作の特性も浮かび上がってきます。
共通点が、1つあります。
動きの抜きん出ている人は、生まれ持った才能だけではないところです。工夫をして、数えきれない回数をくり返されています。
じぶんの特徴を確かめ、少しずつ動きを引き出してこられたのです。
初期は、動作の奥深さや、自身の左右のアンバランスに戸惑うかもしれません。
以前に痛めた箇所で、動きが出てくるまでに時間がかかる部位もあるでしょう。
すぐに良い反応が出なくても、自分で自分にダメ出しする必要はありません。
初めは誰でも、いま現在の身体のバランスを知るところから始まります。
続けることで、自分の状態をつかめます。目指す方向が決まります。
役者の方も様々な役を演じ、じぶんの特性を掴んでこられたのではないでしょうか。
くり返しの先に、求める動作があります。
P.S.
『おれたちはギロンする』安田 夏菜さん(静山社)
小学生向けの小説です。議論する理由は、相手を論破するためではない。共に生きるためだ、という箇所にハッとさせられました。自身の主張にこだわってしまうのは、働いている大人の方が多いかもしれません。大人にこそ響く作品です。

